ティラノスクリプトで名前欄に半角スペースを入れる
前提:メッセージウィンドウの名前欄に名前を表示させるタグは二通り
#山田太郎 [chara_ptext name="山田太郎"]
これはどちらも同じ表示結果山田太郎を得られます。 姓名の間に半角スペースまたは全角スペースを入れたいと考え、次のように記述すると、
#山田 太郎 [chara_ptext name="山田 太郎"]
#山田 太郎
の方は山田 太郎と半角スペースありで表示されますが、
[chara_ptext name="山田 太郎"]
の方は半角スペースが削除された状態山田太郎と表示されます。
キャラクターを定義する際、jnameを指定する
[chara_new name="taro" jname="山田太郎" ...]
のようにjname
を定義しておくと、#taro
と記載するだけで、名前欄に山田太郎と表示されます。
しかしながら、ここでも
[chara_new name="taro" jname="山田 太郎" ...]
のように定義し、#taro
と書いても半角スペースは削除され山田太郎との表示になります。
#山田 太郎
と直打ちするしかない……
#山田 太郎 田中くん、おはよう。[p] #田中 次郎 やあ、山田くん。おはよう。[p]
のように毎回名前と半角スペースを打たなくてはならないとなると、結構面倒な上に、一箇所だけ半角スペースが抜けていたという事が起きると探すのも面倒になります。
直打ちは面倒なので、マクロを作る
[iscript] sf={ // システム変数sf.をまとめて定義する。半角スペースを挟むと動作しなかったので詰めて書いた。 taro : '山田 太郎', // 変数sf.taroを定義して、文字列「山田 太郎」を代入する。 jiro : '田中 次郎', yuko : '鈴木 優子' }; [endscript] [macro name="taro"][chara_ptext name="&sf.taro"][endmacro] // taroという名前のマクロを定義する。マクロtaroは、名前欄に変数sf.taroを表示するマクロ。 [macro name="jiro"][chara_ptext name="&sf.jiro"][endmacro] [macro name="yuko"][chara_ptext name="&sf.yuko"][endmacro]
実際に喋らせる時は、
[taro] // マクロtaroの実行 田中くん、おはよう。[p] [jiro] やあ、山田くん。優子さんを見たかい?[p] [yuko] 呼んだ?[p]
のように打つだけで名前欄に山田 太郎田中 次郎鈴木 優子のように表示されます。
マクロに入れたchara_ptext name=
の部分が、#
と同じ機能を持っているので、実際に喋らせるときには#を書く必要はなくなります(#もマクロに含まれている状態になる)。
主人公の名前を変更できる(主人公の名前に変数を使用している)ゲームの場合
[eval exp="sf.sp = '\t'"] // システム変数sf.spを定義して、タブ\tを代入する。 [macro name="sp"] // マクロspを定義する。 [emb exp="sf.sp"] // マクロspは、変数sf.spを表示するマクロ。 [endmacro] [eval exp="sf.family = '名字'"] // システム変数sf.familyを定義して、初期値(デフォルト名)として名字を代入する。 // システム変数sf.familyをマクロの中に入れてはならない。入れてしまうと、マクロを呼び出すたびに初期値「名字」が代入されることになり、ユーザーに入力してもらった名字が上書きされてしまい、表示できなくなる。 [macro name="family"] // マクロfamilyを定義する。 [emb exp="sf.family"] // マクロfamilyは、変数sf.familyを表示するマクロ。 [endmacro] [eval exp="sf.name = 'なまえ'"] [macro name="name"] [emb exp="sf.name"] [endmacro] // なまえの部分についても、名字と同じ。 [eval exp="sf.full = sf.family+sf.sp+sf.name"] // システム変数sf.fullを定義し、「名字+半角スペース+なまえ」をくっつけたものを代入する。 [chara_ptext name="&sf.full"] // 名前欄にシステム変数sf.fullを表示する。名前欄には「名字 なまえ」と表示される。
主人公のだけめんどくさい!と思ったら、最後の一行を
[macro name="you"][chara_ptext name="&sf.full"][endmacro]
に変えると[you]
と打つだけで名前欄に名字 なまえが表示されます。
台詞の中で、主人公の名前を出したい時も、
[yuko] [family]くん、宿題してきた?[p] [you] してきてないよ![p]
とすると名字くん、宿題してきた?と表示されます。そのために姓・名・半角スペース付きフルネームの三種類のマクロを作りました。マクロ名をもっと短くするとより、打つのが楽になり、コピペするより早くなります。
なお、[eval exp=...]
の部分は上の[iscript]タグの中に入れられます。どちらもシステム変数の定義、値の代入と同じことをしてます。
メッセージウィンドウについて
ティラノスクリプトでは、登場人物によって名前欄に表示される名前の文字色を設定することができます。
[chara_new name="taro" color="0x19190" ...]
これは文字色だけで、名前欄の背景色は変更できません。 そのため、名前欄の背景色を変更したいと思った場合、以下の三択になります:
- 登場人物ごとにメッセージウィンドウの名前表示部分を設定し、都度呼び出す
- 登場人物ごとにメッセージウィンドウの名前表示部分の画像を用意し、都度呼び出す
- メッセージウィンドウ全体の画像を用意し、都度呼び出す
どれでも同じなので、好きな方法を選んでください。一度設定してしまったら、
[macro name="taro"] // マクロtaroの定義 [position layer="message0" frame="message_blue.png" width="" top="" opacity="" ...] // メッセージウィンドウの画像を呼び出す。taroは青 [chara_ptext name="&sf.taro"] // 名前欄にシステム変数taroの値「山田 太郎」を表示する。 [endmacro] [taro] // マクロtaroの実行
のようにしておくと、登場人物ごとにメッセージウィンドウの見た目やらを変えることも簡単にできます。
マクロにまとめておく利点
マクロにまとめておく利点として、画像を差し替えたい・色を変更したい・表示位置を調整したい等思った時、マクロを弄るだけでゲーム全編を通して変更ができること、一箇所だけ記述ミス・コピペミスが発生してしまったということを防げることがあります。 したがって、時々変更するだけという場合にも、メッセージウィンドウを表示させるタグの部分だけでマクロを作っても便利です。
メッセージウィンドウ画像を設定する[position]タグのheightは画像下から画面下までの距離であって、上からの距離ではないことに注意。
追記
[iscript]タグ内の半角スペースが反映されない場合、半角スペースをエスケープシーケンスに置き換えると表示されます。
[iscript] sf={ taro : '山田\t太郎', jiro : '田中\t次郎', yuko : '鈴木\t優子' }; [endscript]
sf={taro:'山田\s太郎'};
の半角スペースは反映されるが、eval exp="sf.sp = '\s'"
の半角スペースは反映されなかった。
追記2
後日、とあるキャラ名を足したら半角スペースが反映されないどころか、名前欄が空欄になることが起きました。
記述ミスがないか、[iscript]タグ内で順番を変えてみたらどうか、等は試してみましたが、相変わらず名前欄は空欄のままでした。
結論としては、[iscript]タグなぞ使わず、素直に
[eval exp="sf.taro = '山田\t太郎'"] [eval exp="sf.jiro = '田中\t次郎'"] [eval exp="sf.yuko = '鈴木\t優子'"]
と記述した方が楽で変な現象も起きません。
エディターで一括置き換えできますし、新しい登場人物の名前を足すにしても一人につき一行足すだけですし……。